コレキニ

気になったテーマや話題についての雑感やまとめ、日記。

サラ金の金利、上限金利20%をもとの29.2%に戻すことが検討される。マッチポンプ万歳

貸金業の金利規制緩和 自民が法改正検討  :日本経済新聞

貸金業者に対する規制強化は、2010年前後に自民党が主導して行いました。主な対策としては上限金利の引き下げ(29.2%から20%)と年収の1/3までの総量規制実施です。
(総量規制については「キャッシングの総量規制とは?」などをご覧くださ

これによって貸金業者は大きな打撃を受けることになり、統合や銀行に吸収されるところも多数出てきました。

 

そもそも上限金利については利息制限法上限を超える金利出資法金利との間でのグレーゾーン金利(20%超29.2%以下)が最高裁で認められず、個人からの過払い金請求のラッシュで大手消費者金融武富士などが倒産するに至り、同業他社も青息吐息の状態なったわけです。

こうした状況を、再度適法化するというのはどうしたものかと思うわけです。日経記事中には「個人事業主などから「決済など一時的な資金を調達しにくくなった」との声も出ていた」というような記述もありますが、現在の20%の利息で借りられない個人事業主は29.2%になって借りれても一時的な延命に過ぎないと思います。また、そもそも消費者金融等の無担保ローンは規約上で資金使途として業務利用は禁止しているので、そうした利用はNGのはず。「銀行融資を受けにくい中小零細企業などが、消費者金融から借り入れやすくする狙いがある。」ともありますが「弱者に付け込みやすくする狙いがある」の間違いだと私は思います。それよりも「生活福祉資金貸付制度」のような弱者支援が可能な公的融資について、より使いやすくする、利用しやすくするように制度変更することの方がよっぽど重要だと思います。
参考:生活福祉資金貸付制度の審査やメリット、デメリットこの生活福祉資金貸付制度などは制度趣旨は大変ご立派だと思いますが、審査や利用条件等で大多数の人が対象から外れてしまい、ほとんど使えない制度になっています。こうしたものを見直すことが真の多重債務者を減らす行政の施策でしょう。あとは、金融教育でしょう。年利20%とかのサラ金で遊び目的で平気で金を借りるというのは、借りる側にも問題があります。お金を借りるということの意味や金利の仕組みなどを義務教育の中で教えていくということが大切なのだと思います。(参考:大学生のうちにやりたい「お金の勉強(金融の勉強)」)でも、今回の記事における規制緩和で総量規制を外すのはOKだと思います。国が個人の与信を制限するのはおかしい。総量規制のせいで、まっとうな貸金業者から借りれずに闇金に手を出さざるを得ないという人は相当数いると思われますし。