奨学金と自己責任
発端は「「奨学金」という名の学生ローン 1,000万円超す借金抱える若者も」で取り上げられた奨学金に関するデモにたいして、色々な議論が行われているわけです。
片方は借りたのは自分なんだから頑張って返せよ。返せないなら借りるな。という自己責任論。もう片方は現状を鑑みて、この奨学金返済問題を自己責任とは言えないという考え方。
最近は奨学金も個人信用情報機関へ延滞者を登録するようになっており、奨学金が返せなかったら、住宅ローンはおろかクレジットカード、場合によっては携帯電話さえ契約できなくなります。このあたりは下記のエントリーも。
・クレジット・ローンの事故情報(ブラックリスト)はいつ消える?確認は?
・事故情報の有無と住宅ローン審査
・クレジットカードと審査
・携帯電話未払いで信用情報に傷?
日本ではろくに金融教育も初等、中等教育でやってもいないのに、借金に関する自己責任論を振りかざすのはなんだかなぁと思います。
でも、教育は社会において必要なものだし、今では大卒というのが最低限のハードルに事実上なっていることを考えると、一概に自己責任論で切れるほど簡単な問題じゃないかと。
あと、国公立大学に行けよという話もありますが下記の表を見る限りはほ学費の差ってそこまで大きくないよね。今は国公立も高い。
>> 大学でかかる教育費・学費
入学までの費用 | 学費+仕送り(年) | 4年間トータル | |||
---|---|---|---|---|---|
国立大学 | 自宅通学 | 82.3万円 | 108.5万円 | 516万円 | |
自宅外 | 126.3万円 | 216.5万円 | 992万円 | ||
私立大学 | 文系 | 自宅通学 | 95.6万円 | 148.1万円 | 688万円 |
自宅外 | 139.6万円 | 256.1万円 | 1164万円 | ||
理系 | 自宅通学 | 102.9万円 | 175.1万円 | 803万円 | |
自宅外 | 146.9万円 | 283.1万円 | 1279万円 |
(引用元:子供の教育に必要な「学費」の目安)
自分自身は当時、よくわからないまま育英会の奨学金を借りて、なんとか正社員に慣れたけど、もし安定した仕事につけなかったら制度に対する恨み言の一つや二つは出ていただろうなぁと思います。
悪用されない範囲で一定のモラトリアム的なものは用意すべきというのが私の考えです。